社員を犠牲にせず、尊重する。一人ひとりに合った働き方を提供ビルの清掃や家具建具の製造販売などを手がける「株式会社NBSマネジメント」。代表の武田さんは、労働者が犠牲になりやすい環境を疑問視し、社員を大切にすることを経営の中心に置いています。社員一人ひとりの才能を見つめ、それぞれに合った働き方を提供する武田さんの思いや取り組みに迫ります。働く人を犠牲にしない、社員一人ひとりを尊重する会社当社は「人と人とのつながりの大切さ」を経営理念とし、人材を最大かつ唯一の財産と考え、何よりも働いていただいている人材を大切にしています。そう考えるようになったのは、バブル崩壊後の約30年間に、多くの労働者が犠牲になっているのを見てきたからです。一生懸命に働いているのに給料が上がらなかったり、生活が苦しかったり。日本の労働者は辛い状況下でも耐えて働く人が多く、多くの経営者や企業体制がそれに甘えてきました。現在はその労働力が外国人労働者に依存しつつあり、人材を使い潰すような体制は本質的に変わっていません。私もかつて別の業界で働いていた時、大切にされない存在だったからこそ、「私が経営者になったら、社員を粗末にすることは絶対にしない」と心に誓いました。企業は、社員が働いてくれているから成り立っています。この根本的なことが抜け落ちている企業は多い。「私が家で休んでいる間にも現場で頑張ってくれている社員がいる」、この意識を忘れてしまったら奴隷労働のような関係になってしまうと思うのです。社員一人ひとりを尊重して、良い環境で働ける場を提供することが私の役割です。現場の社員に還元できるように、低単価の案件は受けない働きやすい環境を提供するために、当社では低単価の案件はお受けしないようにしています。安くお受けしてしまうと、そのしわ寄せは現場の社員たちに行ってしまうからです。日本の多くの企業は安さを売りにしていますが、それでは社員たちは報われません。社員たちに還元できるように、適正な価格でお受けするようにしています。当社ではさまざまなバックグラウンドを持つ人材が働いていており、社員一人ひとりのライフスタイルや考え方を尊重するようにしています。例えば、短期間でしっかり働きたい、学校の勉強と両立して働きたい、本業の傍らで副業として働きたいなど、どのように働きたいかは人それぞれです。社員の要望を丁寧にヒアリングして、その社員に合う仕事をマッチングすると、お互いウィンウィンの関係を築けます。社員はモチベーションも保てて、搾取するような労働に向かないような仕組みづくりにもつながるのです。コミュニケーションもよく取るようにしています。面談のような堅苦しい感じではなく、現場に向かう車の中や食事の場などで話すことが多いです。話をしていると、社員の考えや意見にはっと気付かされることがあります。それぞれが必ず持っている才能を見る社員一人ひとりが必ず持っている才能を見るように心がけています。同じ掃除でも、やり方やかかる時間は人それぞれです。その人の個性をつかみ、方向性を見出して教えるようにしています。一人ひとりの個性を把握していると、仕事のチームプレーではお互いの長所と短所がパズルのピースのように組み合わさり、品質の向上や会社の評価にもつながっていきます。人間は完璧でないため、ミスや間違いは必ず起きるもの。そんな時に違う強みを持つ者が集まっていれば、お互いをフォローしあえるのです。入社後は1か月間の研修期間があり、動画のマニュアルを視聴し、実際に私や先輩の元で仕事を覚えてもらいます。早い方だと1週間ほどで仕事を覚えてしまうことも。その後は少しずつ新しいスキルを身につけてもらい、それに伴い昇給もしていきます。社員との話し合いの上で、職種変更を行う場合もあります。例えば以前、掃除スタッフだった女性が事務員になったこともありました。どうしても長年同じ仕事を続けているとマンネリ化してしまうので、役割を変えることでモチベーションが再びわいてきたり、新しい発見があったりします。もちろん異動の際は、一方的に押し付けることはせずに、対等に話し合った上で決めるようにしています。自分のやりたいことや夢のために働いてほしい私はよく「日本はこんなにも便利な世の中なのになぜ日本人の幸福度が低いのだろう」と考えます。過剰な安売りやサービスが、必要のない仕事や人を奴隷労働させ疲弊させていく原因になることもあります。一方で欧米では充実した人生を送ったり、家族との時間を大切にしたりするために、仕事では生産性を大切にして、短い時間で業務を終わらせようとするのです。欧米の方は数週間の休みを取って海外旅行に行くことがありますが、日本ではあまりない光景です。当社も欧米型の働き方に近づけていきたいと考えています。社員は1か月のうちすべて当社で働く必要はなく、半月だけ働いたら残りの半分は自分のやりたいことに専念するというライフスタイルがあっても良いのではと思います。きっと仕事のモチベーションも保てるので、成果も出やすくなるでしょう。一生、当社にいる必要はありません。やりたいことや夢があるなら、どんどんその道に進むべきです。いつか社員に「あの会社での経験があったからこそ、今の自分がある」と思ってもらえて、一つの人生の役に立ったのならば嬉しく思います。・企業情報企業名:株式会社NBSマネジメント代表者名:武田 康介本社住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋2-20-9 OS サンプラザビル2F企業URL:https://nbsm.co.jp/