得意を伸ばし、挑戦を見守る。一人ひとりの可能性を引き出すチームワークネイル・まつげ化粧品の企画・製造・販売を中心に、サロン支援や店舗運営など、幅広い事業を手がける株式会社プリアンファ。美容業界の技術職出身者が多く集まる同社では、個々人が得意分野を伸ばし、挑戦を歓迎する文化が根付いています。新しいブランドの立ち上げから発売までを1人の社員に任せるなど、実践のなかで自信と主体性を育てる仕組みについて、代表取締役の宮原和也氏にお話を伺いました。1人30秒の宣言で、1年の方向性を定める当社では年に一度、社員全員が集まり、1年間の目標を宣言する機会を設けています。持ち時間は、1人につきおよそ30秒。「こういう組織にします」「ここは私に任せてください」と、それぞれが挑戦したいことや果たしたい役割を話します。そして同日に行う事業計画発表会では、会社の中期計画や翌年の全社事業方針を全社で共有します。会社全体の計画を伝えることはもちろん、各部署の方針を定め、最後は個人の目標まで落とし込みます。会社全体から部署、個人へと目標をつなげることで、自分の仕事が事業計画のどこに関わっているのかを捉えやすくしています。事業計画をつくる際には、マネージャー以上のメンバーが約3か月にわたって議論します。商品企画、マーケティング、営業、フルフィルメントや人事総務など、部署によって仕事も求められる能力も異なります。互いの業務を知り、方向性をすり合わせる時間は必要不可欠と考えております。リモート勤務を取り入れている社員が3割ほどいるため、普段は社員同士が直接顔を合わせる機会も限られます。だからこそ、全社員が一同にリアルに集まる事業計画発表会は、目標だけでなく、人柄や仕事への思いを知る場にもなっています。苦手を直すより、得意にのめり込んでほしいマイナスをゼロに戻すために頑張るのは、本人にとって苦しいものです。それよりも、好きなことや得意なことにのめり込み、プラス1をプラス2にする方が前向きに取り組めます。もちろん、仕事をしていれば苦手な業務も出てきます。そのときは、ほかの社員の強みで補いながら、組織として仕事を完結させます。目標宣言は、本人や周りのメンバーが関心を持つ分野を知る機会にもつながっています。「苦手を克服します」と話す人は多くありません。自分で成し遂げたい、これは私でやるなど主語が自分になることで言葉の重みが変わるからです。周りのメンバーは宣言を聞きながら、本人がどの分野に関心を持ち、何を伸ばしたいのかを捉えていきます。そして目標は、宣言して終わりではありません。半年に一度、評価面談と目標設定面談を実施するほか、上司と社員が1対1で話す機会も定期的に設けています。私もマネージャークラスの社員とは、月に一度、話す機会をつくっています。ただし、面談の時間だけが相談の場ではありません。社員からチャットで直接相談が届くこともあり、普段のコミュニケーションの延長で相談できる関係を大切にしています。「助けて」と言われるまで、我慢して見守る入社から約1年の商品企画担当者に、ブランドの立ち上げから発売までを丸ごと任せたことがあります。商品企画の実務を学び、仕事にも慣れ始めた時期に、次の成長機会として託しました。任された本人は、自分から周囲に意見を求め、考えた内容をプレゼンテーションするなど、それまで以上に自分の頭で考えて動くようになりました。仕事への向き合い方まで変わり、その年に最も成長を感じた社員です。周囲のメンバーは「本人が助けを求めるまでは手を出さない」と決めていました。本当に行き詰まったときには支える体制を整えたうえで、まずは自分で考えてもらいます。先回りして答えを渡せば、本人の意欲を削いでしまうこともあるからです。いつまでに山頂へ着くかは決めますが、どの道を通って登るかは本人に任せます。日々の進め方に細かく口を出すのではなく、必要な場面で助言するのが、当社の方針です。社長までたった2階層。意見が届くフラットな組織当社では、組織の階層をできるだけ少なくし、マネージャーの上は社長いうシンプルな構造にしています。現場の意見が届きやすいようにするためです。業務の相談に限らず、挨拶や短い会話でも構いません。「社長だから話しにくい・言いにくい」という関係は、できるだけなくしたいからです。部署や役職を越えて声を掛け合う文化があり、困っている人がいれば、周囲が自然にサポートしています。こうした話しやすい関係が、日頃の支え合いにもつながっていると感じています。商品開発などで意見が割れた場合は、まずお客様や取引先に聞くようにしています。社内や担当の好みだけで判断している可能性があるからです。それでも結論が出ないときには、互いの立場を入れ替えてプレゼンしてもらうこともあります。相手がなぜその考えに至ったのかをたどることで、商品企画やマーケティングの新しい視点が見つかります。現在は既存の事業領域だけで可能性を限定せず、社員との対話から生まれた発想を、次の事業へと育てていきたいです。【企業情報】株式会社プリアンファ本社住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目9-31 辻本ビル3FHP:https://preanfa.jp/設立日:2005年代表取締役:宮原 和也